ホールドで頭や肘等を伸ばすという時の基準点は?

レッスン再開してはや一か月を過ぎた。スタンダードは怪我を挟んでずっとタンゴのレッスンが続いている。それもいよいよ佳境に入りつつあるようだ。

 前回のレッスンでは女性をリードする場合の右ボディの大切さが課題となった。練習場でそれを何とか乗り越えようとやってきた成果を見てもらうべく、レッスンの冒頭でルーティンを踊って見せたのは毎度のこと。どんなことを今度は指摘されるだろうと固唾を呑んで待つと、先生からは全く予想もしていなかった発言が。

 「頭やボディを引き上げろとか、大きなホールドを張れとかよく聞くと思いますが、その時の基準となる点はどこですか?」と聞かれたのだ。そんなこと、考えたこともない。正直にそう言った。そうすると、先生は紙に絵を描きながら説明を始めた。

 説明を要約するとクローズド・ポジション(CC)の場合は右の内股関節、プロムナード・ポジション(PP)の場合は右外太腿となる。即ちパートナーとのコンタクト・ポイントが基準となる。その基準点からCCの場合はホールドを張った左右の両肘と頭に向かう3本のベクトルが上方に、両足に向かって2本のベクトルが下方にそれぞれ伸びている。基準点からは全部で5本のベクトルが出ていることになる。PPの場合も5本のベクトルが出ているのだが、基準点の位置が異なるためそのフォルムは全く異なるものとなる。







 ベクトルの本数はその位置によって、基準点では5本、ボディでは3本、頭・両肘・両足にはそれぞれ1本。このベクトルの本数がパートナーに対する情報伝達の大きさを表している。CCからPPに変わったり、またその逆もステップの中でよく出てくる。このようにポジションを変化させる場合にボディのフォルムも変化させる明確な意識が必要となる。と同時に変化させるというリードも明確にパートナーに伝達しなければならない。この時に最も重要となるのは5本のベクトルが集中している基準点のコンタクトポイントの動きである。手で相手を動かそうとするのが最悪であることは少し基本が出来る人なら言わなくてもわかる。3本のベクトルが通過しているボディで伝えることも可能ではあるが、やはりコンタクトポイントの微妙な動きで伝えることが最も効果的である。

 自分の場合、こういうことが全然整理されなくて曖昧なままシャドウの練習をしてきた。女性の先生に教わっている場合なら踊りながらポジションの変化のリードについては身につくかもしれないが、男性の先生に教わる場合の唯一の弱点を補ってやろうとする先生の親心なのかもしれない。




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